プログラム

01 空の目
赤松正行
養老公園の上空に大きな目玉が現れ、空中をゆっくりと昇り降りします。その目玉が見る地上の様子や周囲の景色は、めくるめく変化する光景として地上に映し出されます。今ここにいる私たちを、空から見つめる私たち。それは同時に過ぎ去った過去の記憶であったり、これから訪れる未来の幻影であったりします。私たちは空に昇り、空から降りそそぎます。見果てぬ夢に出会うその日まで、目玉は何かを見つめ、何かを探し続けています。

鳥のように飛び立つ翼を持たない私たちは、平面的な日常を過ごしています。そこで、この作品では空の目に託して、私たちの視点を空に舞い上がらせます。養老の滝が流れ落ちる崖の向こう側を垣間見たり、地上では気づきにくい養老天命反転地の隠された図案を見出したりします。もちろん、その目は私たち自身も見ています。それは現代の監視社会やプライバシー問題に直結し、空から忍び寄る何かを仄めかしているかもしれません。

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赤松正行

博士・IAMAS教授

1961年、兵庫県生まれ。メディア作家。京都市立芸術大学大学院美術研究科修了、博士(美術)。情報科学芸術大学院大学(IAMAS)メディア表現研究科教授。クリティカル・サイクリング主宰。インタラクティブな音楽や映像作品を制作、近年はモビリティとリアリティをテーマに、テクノロジーが人と社会へ及ぼす影響を制作を通して考察している。代表作に書籍「Maxの教科書」、「iOSの教科書」、アプリ「Banner」、「意思決定 Free」、展覧会「Time Machine!」、「ARアート・ミュージアム」などがあり、「セカイカメラ」や「雰囲気メガネ」といった先進的なIT製品の開発にも携わり、アートの領域を広げようとしている。また、クリティカル・サイクリングでは自転車を楽しみながら、その身体性や社会性を発見的に批評している。数ヵ月前に自転車で転倒して手術を受けたことも懲りていない。http://akamatsu.org